関根伸夫展 ―「もの派」から「新世紀のもの派」へ―
関根伸夫
2008/5/13〜2008/5/31
11:00〜19:00 但し:日曜・月曜は休廊
YOD Gallery 大阪老松町


展覧会案内
1960年代末、国内外の美術界に大きな旋風として受け入れられ、以後戦後日本の美術史に深くその名を刻んだ「もの派」。その誕生の原点として位置づけられる「位相−大地」を制作し、以後もの派の最も中心に位置する作家として精力的に制作を続けている関根伸夫(せきね のぶお)氏の、関西では初ともいえます大規模な個展を開催いたします。
近年改めて「もの派」の存在価値を見直す動きが見られ、関西でも2005年に国立国際美術館にて「もの派−再考」展が開催されるなど、その評価は更に高まりを見せています。その理由として、21世紀を迎え人々が新世紀の哲学を追い求める中で、前世紀の功罪でもあった物質至上主義への痛烈なアンチテーゼとして存在しうる「もの派」の活動に、その答えが隠されていると感じたのだと思われます。またここ近年の美術界においても多種多様な表現が氾濫していますが、徐々にではありますが今後の方向性としてよりミニマムな思想・表現へと向かう傾向が感じられつつあります。もの派の中心的な考え方である、素材・物質そのものに対する価値の問いかけ、そして物質という絶対的な現実と対極にある虚構空間との対比の問題。高度経済成長期以来絶え間ない物質至上主義の社会の中で、それ以降に生まれた作家たちの一部はもの派の発想を原点に別の角度から表現していることに疑いはありません。
関根氏は1968年に発表した「位相−大地」が伝説的ともいえる大きな反響を呼び、以後は1973年に設立した環境美術研究所の所長として、国内外で多くのパブリックアートとなるべくオブジェ・彫刻作品を残しています。一方では本来の氏の活動の原点は平面作品にあり、多摩美術大学での学生時代に戦後抽象表現を代表する作家斎藤義重氏より、抽象画の表現について強い影響を受けました。「位相−大地」発表後は彫刻作家としての活動が主でしたが、1987年に「位相絵画」シリーズを初めて発表しました。「位相絵画」とは通常の単一の平面では無く皮膜の連続として平面と捉える、ルチオ・フォンタナと同様二次元の世界に疑問を問いかける作品群です。複数枚の鳥の子紙を貼った特殊なキャンバスに、引っかいたり切断したりの行為をした後に金箔や黒箔を貼り付け、絵画における空間の問題に一石を投じる氏の新たな表現を確立しましたが、この表現は数年後に中断することとなります。それから約15年が経ち、2005年に再び氏は「位相絵画」シリーズの制作を開始し、そこには過去の作品と異なり岩絵具などで彩色を施されたものとなり、「21世紀のもの派」としての新たなステージが以後表現され、現在に至っております。
当展は、関根氏の出世作となる「位相−大地」の発表の場でもある因縁の地関西にて、再スタートした「位相絵画」の初公開となります。2008年1月に現代美術ギャラリーとしてオープンしたYOD Galleryにて氏の近年に制作を再開した新作の位相絵画を、同じく大阪キタにある京文堂画廊にて1990年代までの彫刻・平面作品を公開して、氏の40年以上にわたる作家活動の中での共通点と相違点、そして「もの派」の思想が語る新世紀へのメッセージを体感していただきたく思います。現在の美術界の高まる評価によって関根氏の過去の作品は「もの派」として評価され、「歴史」に今まさに組み込まれようとしています。「再び位相絵画に戻る」という表現がなされてはいるものの近年の氏の作品は、21世紀に生まれた新作として、「新世紀のもの派」へと進化し続けています。当展の両会場は少し隔てておりますが、会場へ向かう距離と時間の中で新作と旧作両者の印象を冷静に感じ取っていただきたく思います。
また会期中のイベントとして、関根氏と学識経験者を交えたトークショーを開催いたします。ぜひこの機会にお誘いあわせの上ご高覧賜りますよう、お願い申し上げます。
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作家略歴
1942年、埼玉県生まれ。1968年、多摩美術大学大学院油絵研究科卒業。
同年、神戸須磨離宮公園現代日本野外彫刻展で、「位相−大地」を発表、もの派誕生のきっかけとなる。
1970年ヴェネチア・ビエンナーレで「空相」を発表、以後ヨーロッパで制作活動を行う。
1973年、環境美術研究所設立。
現在に至るまでパブリック・スペースを中心にランドスケープ、モニュメントを制作。
個展は2003年の川越市立美術館の個展など 1969年以来国内外で多数開催。
2005年のギャラリー美術世界(東京)の個展から位相絵画の発表を再開。
近年のグループ展は2002年韓国釜山ビエンナーレ、
2004年 A Secret of History of Clay展(テイト美術館リバプール)、
2005年もの派−再考(国立国際美術館)等。
作品は各国の美術館に多数収蔵。
同年、神戸須磨離宮公園現代日本野外彫刻展で、「位相−大地」を発表、もの派誕生のきっかけとなる。
1970年ヴェネチア・ビエンナーレで「空相」を発表、以後ヨーロッパで制作活動を行う。
1973年、環境美術研究所設立。
現在に至るまでパブリック・スペースを中心にランドスケープ、モニュメントを制作。
個展は2003年の川越市立美術館の個展など 1969年以来国内外で多数開催。
2005年のギャラリー美術世界(東京)の個展から位相絵画の発表を再開。
近年のグループ展は2002年韓国釜山ビエンナーレ、
2004年 A Secret of History of Clay展(テイト美術館リバプール)、
2005年もの派−再考(国立国際美術館)等。
作品は各国の美術館に多数収蔵。
展覧会の様子






